映画「鋼の錬金術師」で一番良かったのは原作0巻が貰えたところ【人柱映画感想】
人柱になってきました
どうも、ひいらぎです!
まず始めに、この「鋼の錬金術師 実写映画化」と言う凶行とそれによる被害者に対して哀悼の意を捧げたいと思います。やっぱつれぇわな。
そしてそんな悲劇の作品を観てきた感想を書いていくわけですが・・・
いやこれが意外とね・・・!!!
面白くありませんでした。
ええ。
僕は今でもマジで錬金術ができるんじゃないか、と年に5回は手合わせ錬成を練習をするほどの原作の(ヤバイ)大ファンなんですが…
実写映画を観てもそんなに憤りとかショックは受けてないです。
たぶん最初から全く期待しないで観たおかげというか、「そもそも原作0巻を貰うついでに観た」と言うスタンスが功を奏したのでしょうね。
まぁツッコミどころは腐るほどあったんで
良かったとこ悪かったとこをつらつら書いていきます。
鋼の錬金術師とは
月刊少年ガンガンで連載されていたレジェンド漫画の一つ。
錬金術というトンデモ能力が存在する世界が舞台のダークファンタジー作品で、アニメにもなったしアニメ映画も作られた。ガンガンの元稼ぎ頭。
作者の荒川弘先生は現在別雑誌サンデーで農業リアリティ漫画「銀の匙」を連載中。(けど今はお体の具合がアレで休載中)
原作は全27巻で(やや成熟した)子どもからおとなまで楽しめること間違い無し。
映画のストーリーは原作からのツギハギ
映画のお話は基本的に「人体錬成で色々持ってかれたエルリック兄弟がお身体を取り戻すため、とりま賢者の石を探すのだ」と言う、原作通りの流れに沿って進んでいきます。大体原作の4,5巻までの流れを軸に「人形兵」「焼いて塞いだ!」など様々な要素を詰め込んだ映画オリジナルストーリー。
ただ、素敵な再構築ですわね!と言うにはちょ~っとお粗末な中身なので、そのオリジナルストーリーが面白かったかというと…うーん…余計なことしなくていいのになぁと言う感じです。登場人物の行動目的がバラけてたのもあって、終盤は見づらい展開が続きました。良いなと思ったのはエルリック兄弟の喧嘩の流れまでかしら。
ファンじゃなくても楽しめる?
ズバリ!
ちょっときつい!!!
何せ社会情勢や世界観の説明は一切無しですからね。
しれっとタイトルになってるけどさ、錬金術ってまずなんやねんと言うところかでしょう。まぁ錬金術の説明はアルフォンス君が唐突にざっくりしてくれますが、それが活きるシーンも特になし。
山田エドは唐突に敗れた服をぱっと元に戻しちゃうし、石畳を使って武器を錬成してるのに地面が削られた後とかも無いし。賢者の石が~とか、魂の錬成が~キメラが~とか割と専門用語ラッシュなので、ファンタジーものに理解がある人でないと「ナンノコッチャ」でお話が進むことでしょう。
大まかな感想
今作実写版「鋼の錬金術師」ですが、「面白くなかったけど、思ってたより酷くなかった」と言う感想です。キャスト陣の演技がうんちのように糞だったと言うわけでもなければ、CGが90年台レベルというわけでもなく。
感じてしまった「微妙」感はひとえに原作との比較からくるものなんやろなあ。
良かったところ
映画館で観た感想を挙げるとするならば「ファンタメロン」が美味しかった…ってところですね!いや~久しぶりにコーラ以外の映画館ドリンクを飲んだけどやっぱファンタもいいね。
・・・ん?
ああ、後はね、原作0巻が貰えたところですね!
こちらはエドワード・エルリックが国家錬金術師の資格を取った直後を描いた特典漫画。作者:荒川弘氏の書き下ろしでござるよ!!
言っちゃうけど、コレのために映画館に足を運んだようなもんですからね!特典無かったら誰が観るかこんな地雷
びっくりしたのがね、絵柄がほぼ変わってないんですよハガレン連載時と!
原作ではひっそりと亡くなっていた鉄血の錬金術師の姿も拝めたりするし、いやぁ~これは良かったぞホンマ!
そしてショウ・タッカーが妻をキメラにしたるわ!と画策しちゃうところまで描かれているんですが、映画はまさにこの続きから始まるようなもん。これを読んでいたら映画にすんなり入れるって仕組みでさぁな。なるほどなるほど・・・
・・・ん?
映画本編の良かったところですか・・・?
・・・・・・・
・・・・・
役者さんが頑張ってた!
とかですね。
マジでそんくらい。
キャストに罪はない
公開前から「コスプレ学芸会」「山田最高!」「肝臓!」と言った声が挙がっていたわけですが、まーそもそも配役…と言うかテーマが無茶ぶり過ぎますからね。これはしゃあない、もう誰がハマってるとかそうでないとか言う話じゃないですよ。「どれだけ役になりきるか」ではなく「どれだけ被害は抑えられたか」と言う感じです。
ただ初っ端で笑ったのが、幼少期のエドとアルを髪を金髪に染めた子どもが演じていたんですが、完全にただのヤンキーの子どもにしか見えないという。
そしてリオールの取り巻き市民も怒涛の日本人。
「あんたが噂の鋼の錬金術師かい!?」とか言うシーンもなんか笑えた。
そんな中でもグラトニー内山や、本郷エンヴィー、松雪ラストといったホムンクルス陣はあんまり違和感なかったと思います。本郷奏多くんがなんか藤原竜也っぽくなっていたのは気のせいですかね。
あ、アルのCGは文句なしのデキでした。ただ主役とヒロインは完全に演技があかんかった。山Pといいキムタクと言い、テツカメン演技はジャニーズのお家芸なのか…!?エドワードはただの山田涼介だし、ウィンリィもただの本田翼(かわいい)
それを言ったら小日向文世は小日向文世だし、ブラッドレイ役かと思ったらハクロ将軍役てアンタ。「やぁ、君がエドワードくんだね」みたいなこと言うシーンはただ小日向文世がロケ現場に迷い込んだようにしか見えませんでした。
ホークアイ中尉はほぼ空気で可哀想だったけど、ロス少尉役の夏菜ちゃんは可愛かったよ。そして公式サイトにある怒涛の涙ぼくろ推し。
ちなみに一番原作を忠実に再現してたのはニーナとアレキサンダーとそのキメラね。
「お”に”ぃち”ゃん…」
アルの声は新鮮で全然あり!
懸念していたアルフォンスボイスですが、釘宮理恵不在でも全然だいじょうぶやんけ!
声を担当していた水石くんとやら、全く知らぬ存ぜぬですがもしもアニメ版ハガレンで最初から彼が声を当てていたら、くぎゅボイスよりも納得できたかもしれない。
優し~い青年という感じの声…うん、全然ありでした。数少ない良かったところの一つです。
CG・アクションが残念
CGに関してはアルフォンスの鎧が良くできていたこと…それ以外は、ん、んん…そっかぁ…ってなりました。錬金術シーンでも錬成痕や雷バチバチの表現が全然無かったので、CG自体のデキは良くても「サイコキネシスとかと何が違うんや」と言う印象を受けました。遠隔で投石みたいな技を使ったり、破れた服を質量保存の法則とか無視して修復したり。一番の違和感はディーンフジオカ・マスタング大佐の攻撃ね。
火炎放射器みたいに指から炎が出続けるて・・・お・・・おま・・・
細かいところで「さては(監督)おめぇ原作読んでねぇな?」と思うシーンがちらほらありましたね。
邦画らしい?「語り」の多さ
それとアクションシーンの尺が序盤と終盤以外ほとんど無かったのはいただけない。実写版「亜人」なんかを見た後だとなおさら物足りなさを感じました。
下記の映画予告で「デュクシ!」って音と共に出てくる支柱攻撃が割と全てです。槍錬成と言い。アクションシーンの見せ場らしい見せ場ほぼ見せちゃってますよ。
松雪泰子さんなんかはまぁお歳がアレでしょうし仕方ないですが、ほとんど指しか動いてなかったりね。グラトニーに至っては疑似真理の扉を開いたと言うのに、走って兵隊さんを追いかける描写とか笑っちゃいましたよ。さては(監督)おめぇ原作読んでねぇな?
その他ツッコミどころや良かったところ
ダイジェストでどん
- 街をぶっ壊したエドに対して説教するマスタング…からのエド曰く「アルのためなら俺は何だってする」発言。お、おめぇさてはry
- 真理の扉に吸い込まれるシーン。「唐突に理解した。これが真理。」てヲイ!なんか!膨大な知識とか頭に流れ込んでるような描写があったか!?ただ宇宙をぶっ飛んでただけだろうがヲイ!!!ド派手なCGぶっこめばいいってもんじゃねぇだろうがぁ!!!!
- 大泉洋まじ大泉洋
- ちぎれた機械鎧を応急処置でくっつけちゃうウィンリィやばくね?
- 賢者の石の材料は人間、と言う事実への持って行き方は上手だなぁと思いました
- 人形兵は走り回り暴れまわるでもなく、ただ歩いてきて噛み付くだけという雑魚さ。鉄砲で頭をひたすら撃つ作業…あのシーン、ていうかあの展開いるかぁ!?
- 賢者の石ぶっこ抜きで死ぬラスト。ええんかそれで・・・・
などなど・・・
今作を「面白い!」と思うにはよほど事前ハードルを下げるか、特定の宗教役者さんの超絶ファンだったり、そもそも原作を知らないといった条件が必要になるでしょう(個人の意見です)
まとめ…アニメ映画を見ましょう
という感じで恐怖の実写版「鋼の錬金術師」を観た感想でした。なんか普通に第二部をやる流れで終わってましたが、うーん、もういいかな。また特典で単行本くれるなら今度は本だけ貰って帰ります。
ホントはもっとボロクソに書く予定だったんですが、意外とちゃんと作られていた(再三言うけど面白くはなかった)ので割と普通の記事になりました。
最後に・・・
ハガレンを実写映画にしようという試みを実行に移したなんか、上の人たち。そしてムチャなキャスティングをこなした役者さんたち。監督の無理難題に立ち向かった制作陣の皆さん・・・お疲れ様でした!!!
次は現実世界寄りの作品(青のフラッグとか)でがんばってくださいね!!!!!
さ、今年の残りはスター・ウォーズに備えましょうか!