鉄血のオルフェンズを全話見た感想!前半後半がまるで別モノのガンダムだった
どうもこんにちわ、ひいらぎです。先日最終話を迎えましたTVアニメ
「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」を全話見た感想を書いていきます。
基本情報:鉄血のオルフェンズとは
ガンダムシリーズ最新作(2017年時点)
民間軍事会社で働いていた少年達がガンダムとか使って下克上していくんだけど、途中でブラック企業化して結局社員は殉職したり転職したりして生きていくお話。
- 企画 サンライズ
- 製作 サンライズ・MBS
- 原作 矢立肇・富野由悠季
- 監督 長井龍雪
- シリーズ構成 岡田麿里
- 音楽 横山克
最終話を見終えての感想
最初から最後まで面白かった!
・・・とは思えない終わり方でした。結末が気に入らないとかではなくもう2期の後半から嫌な予感がしていたし、「いやコレはアカン・・」と言う想いが少しずつ募り、いやそれでもきっと最後にはワイの期待を良い意味で裏切ってくれるはず…!
結果、TVの前の僕のもとにマクギリスは来ませんでした。
作画はとても良かったです
極端な崩壊をすること無く、週イチでよく動くガンダムをやってくださりました。まぁちょっとキャラ同士のお話が長いよ~と言うか、MS戦のシーンが少ない感はありましたけど。個人的には1期で地球に降下する時とアイン戦…2期だとモビルアーマー戦、そして最後の瀕死の三日月無双が印象に残っています。
音楽もとても良かった
舞台が火星➡荒廃した感のある赤茶色の世界、そして今回MS同士の戦闘にビームが使われないということもありどこか西部開拓時代の雰囲気をもった今作。
その作風に合ったBGMもすごくお気に入りです。マリアッチ等のジャンルも今までにない感じで良く耳に残りました。
2期では特に悲劇が多く、その分悲壮感を表現した楽曲もありこれはこれでアリ…名瀬の兄貴の時は泣きそうになったぜ(けど後述する他の問題のせいで泣かなかったぜ)
ガンダムのサントラを買うのはダブルオー以来ですわ。
ダインスレイヴさん強すぎ問題
Gジェネマップ兵器枠になるであろうダインスレイヴ。正直…やり過ぎィ!
違法兵器をこっそり乱発するのがズルいと言うのもありますが、ちょっと命中精度半端なくないですか?最終話に至っては宇宙から地上のガンダムに当てにいってましたが、大気のこう、具合とか、どうなんすかね?(拙者文系也)
また相手方にはチート兵器があるのに鉄火団は支払いが滞ってた訳でもないのに口座を凍結されたり物資が乏しくなったり降伏が認められなかったり、ラスタル様にアドバンテージあげすぎでしょうに。
戦力差を考慮して、ラストの火星戦ではてっきりマッキーがモビルアーマーを呼び覚ましたりすると思ってたんですが、まさかのバエルで単騎特攻をかまして「俺がガエリオに負ける…!?(ヘルメットのバインダーシュカ!)」ですからね。
助けてアグニカのたましい。
最後までオルガ一筋だった三日月くん
終始「オルガ、次はどうすればいい?」と言う指示待ち社員だったオーガス君。
オルガの死が彼をどう変えるのか?と思ったら「オルガの意志はまだ生きとる」と言って凹まず悩まず迷いなく行動。結局自分を見せなかったんかい!と言うのは厳密には正しくないんでしょうね、オルガこそ我が人生というか…
俺の意志はオルガのもの、オルガの意志は俺のものと言うジャイアニズムこそ三日月の芯だったんやなぁって。
けどね、あんた奥さんと(将来生まれてくるであろう)子どもの事も少しは気にかけりいや!
マッキーの後先考え無いスカウト
マッキーが「私のもとに来ないか?」と三日月をスカウトしてましたが、結局自分はバエルで特攻かますと言うのはどうもね。一緒に心中するつもりだったのか、それとも三日月のスカウト成功してたら別の道を行っていたのか。あるいは、三日月はYESとは言わねぇだろうなと思いつつダメ元で言うだけ言ってみた感じなのか。
それともスタッフは特に何も考えていなかったのか。
フラグ立てのクセがすごい
あーこのキャラ死ぬんやろうなって言うフラグの立て方が露骨過ぎる時もあれば意表を突く時もあり…クセがすごいんじゃあ・・・。
作中での最強キャラにヒットマン(暗殺者)が上げられるほどモブが暗躍した今作。「このキャラが死ぬよ!」は良いんですが設定が雑というか、例えばオルガがクリュセをうろつく時に団員は普通に鉄華団のジャケット着てたり(おまいら指名手配中じゃないんかい)そういう余計な事に意識がとられました。
と言った感じで、「このガンダム面白い!」から入った僕ですが最終話が近づくに連れ嫌な予感がしていたので結末にガッカリとかはそんなありません。一応キャッチコピーの「命の糧は戦場にある」(たしかそんなの)通りの締めだったし。
その他、全話を通して良かった所や残念だった所を書いていきます。
1期の良かった所
「基本的にMS同士は物理で殴る」「ビームは無し」と言う設定と、阿頼耶識システムなどは良い意味でガンダムらしく無くいなと思いました。「俺の拳が真っ赤に燃える」って感じで。少年たちがほぼゼロの状態からのし上がっていく様や、ヤクザ入りしたりするのもある意味新鮮で良かったです。
キャラクターに愛着が沸くようなストーリー作りも丁寧だったので、ビスケットが死ぬシーンなんかは「鉄の華の良心が!!!!」となりましたし。
戦う理由が明確だった
「クーデリアを地球まで護衛する」「障害は取り除く」「成果を上げる」
そのためにMSに乗ってギャラルホルンと戦っているんだ、と分かるお話の流れ。
シンプルでちょうどいいですね。もちろんどうしてクーデリアが地球に行くのか等、政治的な情勢も理解しようとしたらアレですがこの小学生とかでもわかる単純明快な戦う理由を理解することこそ重要だと思います。なにせコレは日曜夕方アニメ…深夜にジャパリパークして大きなお友だちが謎を考察する作品ではないから。
MSがカッコイイ
バルバトスと聞いてアイテムなんぞ使ってんじゃねぇオジサンが真っ先に思い浮かびましたが、今ではすっかりコッチの印象になりましたよ。
味方機も敵機もカッコイイです。相手の武装をパクって継ぎ足していく秘伝のタレづくりみたいなガンダムの進化も面白かった。
ジュリア機の1/100出るよね(期待)
キャラクターの成長がしっかりあった
最初から最強だと思われていた三日月も宇宙戦ではマッキーに苦戦したり、敵キャラの断末魔にちょっと悩んだりするぐらいの心の変化…所謂「成長している」シーンがハッキリ描かれてました。明宏は弟を亡くしたことで、オルガはビスケットを失ったこと…で1期ではキャラクターの「死」が無意味ではなかったのも印象に残っています。それはカルタの死からのガエリオの奮起など、敵キャラにも同じことが言えました。
そしてその成長の流れがテンポ良く進むこと!
「僕は戦いたくないんや…」➡10話ぐらいかけて吹っ切る
とかじゃないのが見やすかったですね。まぁオルガはそんな感じだったけど…ちょっと三日月くんだけメンタル強すぎたね。
やっぱりラスボス枠は必要
そして上官の死がキッカケでラスボスの座にやってきたアイン。戦いにおいて終着というか「これで終わり」と言うシンボル的な戦闘って不可欠だと思うんです。バルバトスの性能の限界を引き出したアイン戦は見ごたえがあり、何度も見返したシーンでもあります。
その後代償として手足が動かなくなり、片目の視力を失った三日月…というのも、クるものがありましたね。勝利を手放しで喜べない、そこがいいのよん。
1期を見終えた方向けにこちらの本もオススメしておきます。
制作陣の裏話集的なものです。
そして鉄華団の物語は2期へと続いていく訳ですが…
今書いたことが
ゴッソリ無くなっとったんや…
2期の良かった所と残念だった所
ラフタが可愛かったのと、バエルがカッコよかったところです!!!(小学生並の云々)
モビルアーマー戦までは良かった
軌道にノッてきた鉄華団に襲いかかる新たな敵!と言うか人類の敵!というスタンスでぶち込まれたモビルアーマー編は、厄災戦での成り立ちやMAの圧倒的な力も相まってワクワクして見れました。新ガンダムであるフラウロスの投入もあったり、バルバトスの覚醒など2期で一番好きな下りです。
がしかし、ここで違和感を感じたのが後述するシノとヤマギのBL粒子…
「んん?なんでコクピットに乗ってんのこの人…?」と思ったのが、まさか後の悲劇を予感していたなんて…
新規MSの印象の薄さ
2期で登場したMSは、ぶっちゃけガンダムバエルくらいしか好みじゃありません。僕の好みの話はさておき、何というか登場シーンも含めて各機の印象が薄いのです。モビルアーマーの存在が圧倒的だったせいもあるのかもしれませんが、その後に出て来る機体はジュリエッタのやつしか認識できない気がする。
アグニカのソウルが宿ってるやつはカッコイイんだ。
それと敵の兵装・パーツを鹵獲してガンダムに継ぎ足していくのは良いんですが、もうちょい武装の説明が欲しかったですね。バルバトスルプスレクスに新たに実装された尻尾の効果は「斬る」のか「殴る」なのかとか。そんぐらい察しろよと言う話かもしれませんが、おやっさんが「この装備はスピードがウリだがパワーがなぁ…(メリビットさんの頭を撫でながら)」とか一言説明入れてくれるだけで大分戦闘の見方が変わったんだけどなぁ…(クーデリアの胸に顔を埋めながら)。
また「バエルは象徴的な存在で戦闘力はあんまないMSやで~」という設定を何処かで見た気がしますが、49話でマッキーが無双していたのは一体…
一体何のために戦っているんだ!?
二期は「俺達はたどり着く(曖昧な表現)」から始まり「火星の王になる!」と言い出しかと思えば「トンネル掘って逃げよう」となり…これにはシン・アスカも「なにやってんだぁあんたたちぅわぁ!」とブチギレ必死でしょう。リーダーのビジョンを共有できていないせいで退職者が出るほど団員と団長の溝も深まっていく。正論リーゼントくんと彼の言い分を理解しない大勢の社員、という構図はまさにブラック企業のソレ。
その結果が前線壊滅エンドからの生き残ったメンバーは転職…
英雄譚ではなく、社会の厳しさを表現したんでしょう。
日曜夕方枠で社畜の皆さんはさぞ削られたのではないでしょうか。
私はその一人だガエリオ。
成長が・・・止まった
三日月さんの成長が止まった。正確には手足不自由というマイナススタートからの、覚醒モードの戦闘後更に不自由になると言う肉体的にはマイナスオンリー。
では心は…メンタルはどう変わったか?
変わってないんだコレが。
「オルガ、次はどうすればいい?」
おめぇそればっかやんけ!!!!!!!!
一期で手が震えてクーデリアにチュウした三日月さんは、アトラといつの間にか子作りして終了。これには親と視聴していたキッズも真っ青でしょう。
「約束って良いなと思った」と言う彼の言葉は最終話でも汲まれることは無かった。
キャラ死にのバーゲンセール
名瀬のアニキィ!!
なんとかの姉御ぉ!!!(このへんまではちょっとウルウル)
え、ラフタも死ぬの?しかもモブに殺され…(戸惑)
シノ・・・・からのホモカミングアウト?(BL)
オルガ死んだ(しかもモブに殺された)けど、どうすんのこれ?(終焉)
ハッシュとはなんだったのか(なんだったのか)
命の扱いが…安ぃ…
公式のBL祭り
今作の鉄血のオルフェンズですが・・・ガンダムシリーズでやってくれましたね。
「アイツお前のこと好きだよな」「やっぱそうなのかなぁ」って・・・
これが男女の仲の話ではない上にサラッと話してるからアカンのや・・・
なんでや・・・「ホモっぽい」でネタにするならどうぞ非公式でご自由に・・・
けど・・・なんでや・・・・公式やぞ・・・ガンダムである必要あったんか・・・?
誤解のないように言っておきますが、同性愛反対とかそう言う事ではありません。
LGBTと言うデリケートなテーマを意味不明のタイミングでサラッと使っとるのが嫌だっちゅう話や工藤。
「そうか、ヤマギはシノの事が…そりゃつれぇわな」「言えたじゃねぇか」とあっさり同情なりできた視聴者が一体どれほどいたのか気になるところです。僕はもう「は?」としか思わなんだ。ほんと、BLワールドを知らない少年少女達は戸惑いしかないと思うのですが…
何となくあの名作シリーズのゲーム最新作と被りました。
FF15は死んだんだ
なんだったのか?な人々
アグニカ・カイエルとは
ハッシュとは
イオク様とは
なんだったのか?
まとめ:1期と2期は別物
2期でのキャラ死にシーンは大抵が「血を吐きながら語り落ち」か「唐突に暗殺」の2本立てだったのでどうにも単調というか…死に際の台詞というのは乱発したら予定調和みたいになって薄くなるし、暗殺無双もやられ過ぎたら普通に冷めちゃいますよ。
オルガ暗殺に至っては首謀者含めて「なんでこのタイミングであんたらやねん」の一言に尽きる。かつてスカイグラスパーで首チョンパされた人がいましたが、彼は死に際に何かを言い残すことは無かったのに、そのシーンはその後の展開で非常に重要なポイントとして活きてきました。
脚本のせいなのか知りませんが、1期と2期では作品の性質が明らかに異なります。
冒頭で書いたキャッチコピーに関してはその通りなのかもしれないですが、鉄血のオルフェンズ…ガンダムの名で、一体全体視聴者に何を伝えたかったのか?
あるいはメッセージ性など無くて、その都度その都度の衝撃を与えればいい=刺激がありゃエンタメなんや!ということなのか・・・?
疑問は残りましたが、終わってしまった事なので深くは考えないでおきます。
という感じで機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズは個人的に1期までは面白い作品でしたとさ。2期はシードデスティニーを超えた。んばーい。
ああ、マンウィズのOPは良かったなぁ…